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令和2年7月豪雨のような自然災害に対応するためにも、知っておきたいBCPの重要性

2020年7月31日 公開

2020年7月3日以降、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で集中豪雨が発生しました。この「令和2年7月豪雨」と名付けられた自然災害は、70人以上の死者を出すなど多くの被害をもたらしました。このような自然災害に対し、今、企業が注目しているのがBCPという考えた方です。
 
目次
▼令和2年7月豪雨の概要
▼注目されるBCPとは何か
▼BCPと防災計画の違い

令和2年7月豪雨の概要

7月3日夜、九州地方では大雨が降り始め、鹿児島県薩摩地方・大隅地方は3日夜から4日朝にかけて、熊本県南部は4日未明から朝にかけて局地的に猛烈な雨に変化しました。

 

気象庁は4日4時50分に大雨特別警報を熊本県・鹿児島県に対して発令しましたが、5日夕方から6日午前にかけては鹿児島県薩摩地方・大隅地方で再び局地的に猛烈な雨が降り、6日から8日にかけては停滞する前線の影響により、長崎県・佐賀県・福岡県筑後地方・大分県・熊本県北部といった広範囲で猛烈な雨が降りました。

 

結果、気象庁は長崎県・佐賀県・福岡県にも大雨特別警報を発令し、8日6時台に岐阜県・長野県に大雨特別警報を発令するなど九州から本州にまで大雨が降ることになりました。

 

7月16日には、3日から14日の全国の総降水量が25万3041.5mmに達したことを気象庁が発表しましたが、これは2018年の西日本豪雨で記録した23万3453.5mmを抜くという凄まじい雨量でした。

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人的被害も多く発生した

総務省消防庁によると、令和2年7月豪雨による死者・行方不明者の人的被害は以下の通りです (7月16日12時発表分)。

●長野県…死者1名
●富山県…行方不明者1名
●静岡県…死者1名
●広島県…死者2名
●愛媛県…死者2名
●福岡県…死者2名
●長崎県…死者1名
●熊本県…死者65名、行方不明者2名
●大分県…死者2名、行方不明者4名
●宮崎県…心肺停止1名

 

 

 

九州における地域別・被害の状況

●熊本県(県南地域)・鹿児島県
3日夜から4日昼の豪雨により、計13箇所で氾濫・決壊が起こり、約1060ヘクタールが浸水しました。特に、球磨村にある特別養護老人ホーム「千寿園」では、水没した施設で入所者14人が死亡するという大きな人的被害が発生しました。

 

 

熊本県議会によると、被害の大きい球磨村は未調査で数字には入っていませんが、全壊23棟・半壊14棟・一部損壊45棟・床上浸水4580棟・床下浸水1641棟という被害が出ていることが報告されました。

●長崎県・佐賀県・福岡県・熊本県 (県北地域) ・大分県
6日夕方から7日朝及び7日深夜から8日朝に豪雨があり、福岡県大牟田市では、7月6日午後3時からの3時間で252mmという過去に経験したことのない雨量が観測されました。

 

 

さらに、同市の三川ポンプ場の処理能力を越える雨量に到達し、内水氾濫という現象が起きました。この現象により、避難所となっていた大牟田市立みなと小学校や三川地区公民館のそれぞれが道路冠水により一時的な孤立状態となりました。

 

 

また同市では浸水した住宅で女性が死亡したほか、浸水したアパートで男性が死亡するなどの人的被害が発生しました。山鹿市では水没した車の中から、80代とみられる夫婦が意識不明で発見され、間もなく死亡が確認されました。

 

 

また、大分県由布市の大分川におい越流が発生し、市内各地で大分川支流の氾濫・土石流や土砂災害が多発しました。この災害により災害発生情報が発令され、由布市の同尻観測所・大分市の府内大橋観測所における水位が観測史上過去最高というほどの大雨が降り、日常生活に大きな影響が出るほどの雨量となりました。

 

 

由布市湯布院町湯平温泉では、8日に4人が乗った車が川に流され、日田市天ヶ瀬温泉では玖珠川の氾濫により川沿いが浸水し、ホテル10施設に浸水被害が発生して川に架かる橋2本が流失しました。

文化財や産業への影響

今回の令和2年7月豪雨により、文化財や産業へも大きな影響が出てしまいました。農林水産に関する被害額も158億円にのぼるなど大きな被害が出るなど、コロナ禍につぎ農家の方々にとっては大きな痛手となりました。

 

 

また、福岡県大牟田市にある世界遺産『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』の構成資産である三池炭鉱専用鉄道敷跡の切土区間法面が崩落、軌道の一部を覆うという被害が出ました。

 

 

さらに、長崎県南島原市にある世界遺産『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』」の構成資産である原城跡でも土砂崩壊が発生しました。今後も土砂崩れが起こる可能性が懸念されていて、これらの世界遺産のような観光地は、さらなる観光客の減少により窮地に立たされることになりました。

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注目されるBCPとは何か

このように、日本は自然災害が多く発生する国なので、自然災害に対する備えをしておくことは企業にとっても喫緊の課題といえます。

 

 

また、現代社会においてはテロや放火など人的脅威・人的災害も見過ごすことはできないため、さまざまな緊急事態に対処できる会社の力が高く評価されるようになってきました。そこで注目されているのがBCP(事業継続計画)という考え方です。

BCPの概要とは?

BCPとは、自然災害や事件・テロなどの緊急事態が起きた際に、企業が持つ資産への被害を最小限に食い止めて、中核事業を継続させることでいち早く事業全体を復旧させるため、平常時や緊急時におけるさまざまな対策・方法をまとめた計画のことを指します。

 

 

BCPとは「Business Continuity Plan」の略称で、「企業が事業を継続させるための計画」という意味があります。

 

 

 

令和元年は巨大な台風が3個連続で日本列島に上陸し、令和2年もすでに豪雨による被害が発生しました。そのほか、地震も多く起こっており、日本は世界的に見ても自然災害の発生頻度が非常に多い国といえます。

 

 

また今年は、新型コロナウィルスが猛威を振るい、多くの企業が事業の中断を余儀なくされました。このような緊急事態に対応できない企業は、事業の縮小をせざるをえませんし、最悪の場合、倒産という事態に陥ってしまいます。

 

 

特に中小企業の経営は盤石ではないので、ちょっとした緊急事態が発生しただけで倒産のリスクが高まるので、しっかりとしたBCPを策定することで、リスクに備える必要があります。BCPにより顧客・市場から信頼される企業体制を構築することが、事業の継続につながるとして、中小企業庁はこのBCPを推進し始めました。

BCPの策定状況

中小企業庁が推進するBCPですが、企業にどれだけ浸透しているのかをNTTデータ経営研究所が調べました。その結果、BCPを策定している企業の割合は43.5%で、BCPの策定途中である企業を含めると64.9%にまで上りました。

 

 

しかし、BCPを策定している企業の多くは大企業で、事業規模が小さければ小さいほど策定率は下がることがわかり、BCPに対する企業間の温度差があることがわかりました。

 

 

 

改めて、BCPの目的は自然災害や事件・テロといった緊急事態が生じた際に、企業活動への被害を最小限に抑えてできる限り早く事業の再開を目指すことにあります。そのためには、平常時からBCPの重要性を認識して対策を講じておかなければいけません。

 

 

そうすることで、緊急事態がどのタイミングで起きたとしても、事前の計画に従ってスムーズに対応できるというものです。現代社会においては、BCPを策定することは現代社会における企業のリスク管理のためには欠かせない視点になってきたと考えられます。

BCPと防災計画の違い

BCPと似ている言葉に「防災計画」がありますが、これは災害などが原因となる被害を可能な限り「防ぐ・復旧する」ための計画です。一方、BCPは災害などで実際に被害が生じた後に「企業活動の継続・復旧」が目的です。

 

 

防災計画は、あくまで防災を未然に防ぐことを主目的にしていて、BCPは災害などが起こってしまった後にできる限り早い対応をすることを主目的にしています。どちらの視点も、現代社会の企業のリスク管理においては重要なものなので、どちらも策定しておくことが望ましいといえます。

BCPを行うと何がいい?

リスクに対する意識の高い企業は、BCPの策定に積極的に取り組んでいます。では、BCPを策定することのメリットはどのようなことがあるのでしょうか。

 

 

●クライアントの囲い込みができる

平常時からBCPを策定しておくことで、緊急時でもすぐに事業を再開できる見込みが高まります。できる限り、事業活動ができない時間を短くして速やかに事業を再開することで、クライアントの流出という大きな危機に素早く対処できます。そして、市場における自社のシェアにもつながりますので、BCPを策定することはリスク回避のためにも必須といえます。

 

 

●企業評価が向上する

自然災害を筆頭に緊急事態が起こると、企業活動は停止に追い込まれます。そのため、企業にとっては大きなピンチといえますし、周囲からの企業評価も急激に低下することになります。しかし、BCPを事前に策定しておくことで素早く事業を再開できれば、企業のリスクマネジメントの高さがクライアントやマーケットに証明されるので、企業評価の向上につながることが期待されます。

 

 

●意識向上と素早い行動につながる

緊急事態が起きてから企業がどのように危機に対処していくのかを考えるのでは、すべてが後手に回り遅すぎます。瞬時に最善の方法を決断・実行することで最悪のケースを免れることができます。そのためには、日頃からBCPを策定し社員に徹底することで、各社員・部署で緊急事態に対する危機意識が向上し、万が一緊急事態が起きたときに素早い行動がとれるというものです。

 

 

もちろん、BCPにも問題点はあります。NTTデータ経営研究所の調査によると、2018年に西日本豪雨と北海道胆振東部地震が起こった際に、実際にBCPが機能した企業は3割ほどしかなかったという結果が出ています。BCPを策定していたにも関わらず、BCPを活かせなかった…それは、BCP策定時には想定していない状況が生じたなど、緊急事態の中でさらに想定外の事態が発生していたことが要因に挙げられます。つまり、事前に策定していたBCP通りに企業が動けるかどうかは、実際に緊急事態になってみないとわからない部分もあるということです。

工場・製造業がBCPへの対策をとるべき理由

BCPは、工場や病院、学校などさまざまな業種で策定することが望ましいといえます。では、製造業など工場を持つ企業はなぜBCPを策定すべきなのでしょうか。しかしながら、製造業の場合は防災対策を行っているから十分、BCPを策定する余裕がないという声も聴かれます。防災対策は多くの企業が行っていますが、BCPはまだ策定に至っていない企業が多いのです。とはいえ、製造業だからこそBCPの策定が必要と考えられる理由もあります。

 

 

●製造業は日本の中核を担っている

総務省が発表している統計によると、日本全体の企業従業員数のうち、製造業に従事する人は全体の約17%を占めています。しかも、製造業の中には日本の経済を担う大企業も多く存在するので、製造業という業種が日本経済を支える大きな力になっていることは間違いありません。日本国内で使用する家電・自動車はもちろんですが、日本製の商品は海外への輸出も多く、製造業がパンクしてしまうと、日本経済全体に対して大きな影響が出てしまうのです。

 

 

●ひとつの工場の停止により業種全体が停止するリスクがある

製造業はサプライチェーンによる事業が多いので、とある企業の工場が操業を停止すると、その製造業の流れすべてが止まってしまうリスクがあります。つまり、製造業として事業全体の流れを止めないためには、BCPを策定しておき、いかなる緊急事態にも早急に対応しなければいけません。

 

 

●企業としての社会的責任を果たす必要がある

これは製造業に限ったことではありませんが、企業としての社会的責任を果たすことが企業には求められており、そのためにもBCPは策定すべきです。企業には事業を通じて社会に貢献するという大きな役割があり、同時に従業員やステークホルダーの命や財産を守る責任もあります。企業として、万が一の被害が出たときには最小限の被害に食い止めるためにも、防災計画のみならずBCPを策定しておくべきです。

 

 

●「危機管理をしっかりしている企業」としての信頼を得られる

BCPは、企業として危機管理をしっかりしていることのアピールにもなる手法のひとつです。企業の存続に関わるさまざまなリスクが生じたときに、無策ではそのまま倒産への道をまっしぐらです。しかし、BCPを策定し危機管理能力(リスクマネジメント能力)があることを証明できれば、クライアントや社会からの信頼感の醸成につながります。